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資金の波動とは?!


波動?!


 先日、西田社長から、「資金の波動」の説明がありました。

  

私も、毎日のように資金繰り表を見たり、聞いたり、考えたりしてきましたが、資金繰りのことを “波動” と聞いたのは生まれて初めてです。

 

  

「実績資金繰り表」から何を読み取るのか?!

 

それは、企業のトレンドだそうです。

 

 

 

今まで、一面が数字でいっぱいの資金繰り実績表を

A3サイズで印刷して読み方をご説明していた社長の西田は、

「波動で表した方が、経営者には伝わるかもしれない」と思い、

早速エクセルシートをグラフ化して、私たちに見せてくれました。

 

仕入や経費の支払いの波動は、資金繰り表の経常支出をグラフにしたものです。

 

資金残高の波動は、資金繰り表の次月繰越金をグラフにしたものです。

この3つの波動を組み合わせると、企業のトレンドが見えてきます。


トレンドを読み解くには・・・


企業のトレンドは次の4項目から読み解きます。

 

 ①勝てる月が12カ月中、何回あるのか?

 ②負ける月が12カ月中、何回あるのか?

 ③勝てる月と負ける月は、それぞれ何月なのか?

 ④資金残高が月商の2ヶ月分をキープできているか?

 

勝てる月とは、単月の収支がプラスの月のことです。

つまり、入金が出金を上回るので、資金残高が増えます。

 

負ける月とは、単月の収支がマイナスの月のことです。

つまり、入金が出金を上回るので、資金残高が増えます。

 

勝ち月を知っておく事で、より勝てるように、いつのタイミングで戦略を仕込めば良いかを考えることができます。

また、負け月を知っておく事で、負けダメージを軽減するための対策を検討できます。

 

資金残高の理想は、月商2ヶ月分です。

ただ、決算書の残高が月商2ヶ月分あったとしても、資金残高の波動がトゲトゲな場合は、要注意です。

 

なぜなら、銀行からの借入で残高不足を補っているからです。

1年の間に複数の長期融資を受けていると、金融機関からは、「資金の管理が下手な経営者」と見られます。

それは、長期融資は、既存借入の返済に充当されるか、赤字補填資金であると考えられるためです。

 

 


経営者の資金管理能力は波動で観察


売上を増やし、利益を増やし、ときどき、短期融資を受けながら資金を回していく。

これが、理想的な資金繰りです。

 

波動を見ることにより、経営者の資金管理能力が観察できる、というわけなのです。

 

 


資金繰り表を作る直接的なメリットとは?


 また、資金繰り表を作る直接的なメリットとしては、「金融機関からのお願いセールスを断ることができる」ということです。

 

 

なぜなら、資金繰り表から、借入の「金額」と借入の「申込タイミング」を掴めるからです。

 

御社の査定ランクが正常先から要注意先以下に下がってしまうと、貸倒引当金といって、融資先の貸し倒れリスク(万が一、返してもらえなかったときのため)に備えた資金の積み増しをしなくてはなりません。

 

 

そこで、金融機関は保全のためにこう言ってくるかも知れません。

 「現在、当行で受けている融資の残高3000万円を売上金で一旦返してもらえませんか?その代わりに保証協会付きで5000万円の融資を出します。」

 

 

金融機関にとっては、プロパー融資から保証協会付き融資になる事で、融資先からの返済が滞ったとしても、貸倒引当金を積み増す必要がありません。

 

また、保全を強化できるメリットがあります。

 

しかし、企業にとっては、保証料の負担が追加で発生するとともに、上記のような借り換えは、旧債振替に該当するとして、

 

保証協会にバレたら保証を取消されてしまうこともあります。

 

上手に、金融機関からのお願いセールスを断るためにも、資金繰り表を見せて、

「いつ、いくら、何のために資金が必要になりそうなので、その際には、また力を借りたいと思うからよろしくお願いします。」

 

と、答えることができたらスマートだと思いませんか?

 

 

今回は、「資金繰りの波動から、資金管理能力を観察してみる」というテーマで、お届けいたしました。

 

 

みなさんも、資金繰り表をグラフにして、ぜひとも、資金の波動を見てみてくださいね。


ここで疑問が・・・


 

先程、

「金融機関は保全の強化のため、プロパー融資を返済させて、保証協会付き融資 に借換させることがある。

ただこれは、旧債振替に該当するとして、保証協会にバレたら保証を取消されてしまうこともある。」

と書きました。

 

保証を取り消されるようなことを、なぜ金融機関は勧めるのでしょう?

「保証取り消し」なんてことになったら、金融機関も困るのでは?

 

こんな疑問が湧いてきました。

もし、ブログを読んでくださった方で、お分かりの方がお見えでしたら、ぜひご教示くださいませ!

 

では、また次回のブログで。

お読みいただきありがとうございました。

 

【記事担当:岡村】


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